藤田裁判官が言うと説得力があるぜ。

 茨城県守谷市にパチンコ店を出店しようとしたところ、近くに診療所を作られて出店を妨害され、損害を被ったとして、同県筑西市のパチンコ店経営会社が、宇都宮市のパチンコ業者や東京都世田谷区の医療法人などに約7億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審

 藤田宙靖裁判長は、「他のパチンコ店の営業を妨害するために診療所を開設させたことは、許される自由競争の範囲を逸脱している」として審理を高裁に差し戻した


判決によると、パチンコ店経営会社は2001年5月、守谷市の国道沿いに新規パチンコ店を建設したが、医療法人が同年4月、すぐ近くで整形外科の診療所を開業した。当時の同県条例は「診療所の周囲100メートル以内ではパチンコ店は営業できない」と規定。経営会社は開店を断念した。

 周囲には、宇都宮市のパチンコ業者の店舗が三つあった。また、医療法人の代表者と宇都宮市の業者の代表取締役は親族で、医療法人は、業者側から土地を購入していた。

 2審判決は、診療所の医師について、「パチンコ業者の目的を知って協力した」と認定しながら、「公益性のある診療所の医師として診療に従事している」として、不法行為の成立は否定していた。

同小法廷は「許される自由競争の範囲を逸脱しており、実際に診療に従事していても不法行為が成立する」と述べ、風営法の規制を悪用した医師らによる妨害行為を認定。妨害によって利益が得られなくなることは予想できたとして、出店していた場合の営業利益を損害と認めた。

藤田裁判長は、原告が開業で得られたはずの利益と、被告側の妨害行為の損害についての因果関係を認めた。


2審判決は、被告側が原告の開業を不法に妨害したことを認定。一方、「不法行為は診療所開設で完結した」として、開業後の利益分の請求は棄却していた。