一部の相続人からの請求でも金融機関には開示義務 最高裁初判断

2009/01/22 23:08
記事本文 遺産相続をめぐって争っている複数の相続人の1人が、相続財産となった預金口座の取引経過の記録開示を金融機関に求められるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(涌井紀夫裁判長)は22日、一部の相続人からの請求でも金融機関には開示義務があるとする初判断を示し、金融機関側の上告を棄却した。開示を命じた2審判決が確定した。

 これまで金融機関は共同相続人すべての同意があれば記録開示に応じていたが、相続争いがある場合には一部の相続人からの請求には応じないケースが多かったとされる。

 同小法廷は「預金者が死亡した場合は、その地位は共同相続人すべてに帰属するため、単独でも開示請求できる」と判断したうえで、「全員の同意がないことは権利行使を妨げる理由にならない」とした。